ダッソー・システムズ株式会社
ブイグ・コンストラクションが3DEXPERIENCEプラットフォームにより建設プロジェクトを改革
ダッソー・システムズ株式会社
建築・建設業界 インダストリー・マーケティング・ディレクター 森脇 明夫 氏
ブイグ・コンストラクションは、60ヵ国で事業を展開する建設業界のグローバル プレーヤーとして、建物、インフラ、産業プロジェクトの設計、建設、運営を行っています。持続可能な建設の責任ある献身的なリーダーとして、ブイグ・コンストラクションはイノベーションを付加価値の主要な源と見なして、建設プロジェクトのエコシステムを含めた変革を進めています。
パリの玄関口に位置するポータンにあるアールデコ調のルクレール・スイミングプールが、芸術とスポーツのための最新施設に生まれ変わった。建設を担当したのは、持続可能な建設の世界的リーダー、フランスのブイグ・コンストラクション社だ。
これはブイグ・コンストラクション社の広範なデジタル・トランスフォーメーション戦略の重要なパイロット・プロジェクト。同社はダッソー・システムズの3DEXPERIENCE®プラットフォームにより、新しい作業方法を検証し、プロジェクトの全関係者が連携するより優れた方法を見い出した。
フレデリック・ガル氏はビジネス・トランスフォーメーション・プログラム・ディレクターだ。ブイグ・コンストラクション社は、ビジネス並びに業界の未来のために、建設アプローチの根本的な変革に取り組んでいる。同氏は次のように述べている。「当社の目的は、オーダーメイドの建設物を工業手法で提供することです。このために、デジタル・プロジェクト・マネジメント・プラットフォーム (PMNP) を3DEXPERIENCEプラットフォームで展開しています。PMNPは、すべてのプロジェクトおよびすべての関係者を管理する連携ソリューションです」。
ブイグ・コンストラクション社は、3DEXPERIENCEプラットフォームにより、エコシステムの分断を解消し、プロジェクト指向のアプローチを展開している。建設エコシステム全体を変革し、バーチャルツインや連携技術のメリットをすべての関係者にもたらすことが目的だ。
ガル氏は次のように述べている。「設計段階でより詳細な情報を得ることができれば、作業員の安全衛生の面にもメリットがあります。これにより、生産性が高まり、より早く、より高品質な建設を実現できます。また、設計・施工期間を短縮し、正確な進捗状況を報告する、生産性の高い方法でお客様の特定のニーズに対応することで、より良い顧客体験に転じていくことができます」。
ポータン作業所の監督者ギルエム・ボゴワン氏は次のように語っている。「ポータンの現場でのポイントは、紙や壁のディスプレイ、ハイライトを使った従来の仕事のやり方を改善し、デジタル化によってプロセスをより効率的に構成する方法を検討することでした」。
建設チームの現場は、DELMIA 3Dリーンを使用している。紙にメモ書きするのではなく、すべてのタスクの状況確認や進捗状況の監視にオンライン・ミーティングや連携アプリを利用しているのだ。
「DELMIA 3Dリーンは、タスクを可視化して管理するという点で非常に役立っています」とボゴワン氏は述べ、次のように続けている。「以前は、壁に付箋を貼っていました。今は、すべての情報をプラットフォームに集約して、ミーティングで大型画面で伝えています。全員がより積極的に取り組み、現状を正確に把握することで、問題を容易に特定し、重要なアクションに優先順位を付けることができます」。
ENOVIAは、すべてのデータや情報を一元的に集約し、意思疎通を妨げる障壁をなくし、建設の潜在的な問題点や遅れを特定して現場で大きな問題になる前に対処するのに役立っている。
「配送スケジュールを改善しています。例えば、配送担当者名、現場の搬入口、クレーンが必要かどうかなど、役に立つ情報をプラットフォームで入力しています」とボゴワン氏は述べ、「以前はこのような情報がなく、情報の徹底や正確さが欠けていたため、エラーやミスの原因となっていました。今は、はるかに円滑に業務を行っています」。
「ポータンのプロジェクトでは、パンデミックの際に、世界中に分散しているチームを容易に連携させることができました」とガル氏は述べ、次のように続けている。「全員がどこからでもプラットフォームにリモート接続できます。『今どこにいるのか?』、『あの作業は終わったのか?』といった質問を繰り返す必要がないので、時間を節約し、業務に集中できます。すべての情報をプラットフォームに集約しています。また、定期的にアップグレードされるため、最新バージョンのソリューションを利用できます」。
「二酸化炭素排出量40%削減を2030年までに達成することが、弊社の取り組みです」とガル氏は述べ、次のように続けている。「3DEXPERIENCEプラットフォームは、この目標達成をサポートします。例えば、温室効果ガスの排出量を容易に計算できます。低炭素の建築物を設計することも私たちの仕事です。このプラットフォームは、「トレーサビリティー、材料の最適化」、「さまざまな要素のレイアウト強化による廃棄物の削減」、「気候変動への影響を算定して改善」するなど、多くの点で役立っています」。
ブイグ・コンストラクション社は、すべてのデータを3DEXPERIENCEプラットフォームで一元的に管理し、信頼できる正確なデータにより、信頼性の高い意思決定を迅速に行っている。
ガル氏は次のように語る。「このプラットフォームは、情報を一元管理し、すべての関係者を結び付けます。入力されたデータを、すべての担当者が利用して、必要なファイルを簡単に見つけ出すことができます。また、社内での各自の役割に従って、データを可視化できます。これにより、大きな価値がもたらされています」。
ブイグ・コンストラクション社は、2ステップのアプローチを採用している。第1ステップは、プロジェクト指向の共同作業方式の導入。第2ステップは、革新的なインダストリー・プラクティスの導入だ。これにより、生産性を高め、持続可能性に関連する規制に伴う複雑さに対処している。これを行うために、BIMをさらに進展させた、建設バーチャルツイン・アプローチを採用。これにより、プログラムや規制当局の指定や指令をバーチャル・コンストラクション・ツインに接続し、購買、物流、建設の据え付けを仮想的にテストできる。また、プロジェクト全体のエンドツーエンドの効率を促進する。
ブイグ・コンストラクション社は、3DEXPERIENCEのCATIAアプリケーションを15,000人のユーザーから成るチーム全体にわたって展開を進めている。同社は、ダッソー・システムズのパートナーと協力して、プラットフォームを構成し、建設に関するあらゆるナレッジを設計、施工、ビジネス・ルールを備えたバーチャル・テンプレートへの集約を図っている。
同社は、CATIAの強力なパラメトリック機能、モジュール機能、製品テンプレート自動化を利用して、複雑なカスタム設計を管理している。また、設計者が他の設計ソリューションで作成した構想モデルを容易に接続することができるため、各プロジェクトの意図がそのまま忠実に伝えられている。
3DEXPERIENCEプラットフォームは、ブイグ・コンストラクション社が自社の将来と業界の仕事の方法を再定義するために役立っている。バリューチェーンのすべての関係者を結び付け、さらに複雑で野心的なプロジェクトに取り込む力の強化・向上を図っている。
CORPORATE PROFILE
会社名 | ダッソー・システムズ株式会社 |
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設立 | 1994年 |
事業内容 | ダッソー・システムズ社製PLMソリューションの日本 / アジアにおける販売・マーケティング ほか |
本社 | 東京都品川区 |
代表者 | 代表取締役社長 フィリップ・ゴドブ |